活動内容

育成型外国人医療・福祉人材プロジェクト

EPAによる外国人看護師・介護福祉士の受入れ支援


この人たちと一緒にいると、仕事が楽しくなりそうだ! 職場が明るくなっていく!
異質との出会いは、ふだんの生活に気づきや喜びをつなげ、パーソナルな文明の衝突は、私たちの生き方を変える。
多文化共生の社会を実現するために、善意ある仕組みを……
外国人看護師・介護福祉士の受入れは、こんな期待感をもって始めたい。

NPO法人 AHPネットワークス

看護師・介護士に関する調査・広報出版など

・諸外国における調査や支援活動

諸外国へ赴き、看護師や介護士に関連する調査を行なっている。
また、その調査を元にシンポジウム等に参加している。

・書籍や情報誌などの広報出版活動

エッセイや意見を情報誌へ掲載、情報誌の編集を行なっている。
また、シンポジウムを開催・参加している。

AHPの提言(2010年12月)※ベトナム語版を各種資料のページからご覧いただけます

1.現地で12カ月の来日前教育を行う。
   (日本語教育1680時間、看護・介護専門教育300時間)

効果的日本語学習は国内で行うべきか、或いは海外でも可能なのか、という議論は、教壇目線に偏っています。
教育の受益者とは来日を希望している者であり、当事者の立場からすれば、未知の国にたいする基礎知識を事前に学びたいのは当然のことです。

ことば・習慣・文化など、来日前に学習する事でモチベーションが高まり、来日後の生活や仕事に対する戸惑いは少なく、むしろ張り合いが出て職場スタッフに馴染み溶け込むのが早くなります。

これを最大限引き出すための日本語教育を現地でどう組み立てればよいか。議論するなら、この点でなされるべきでしょう。
また、12カ月という学習期間で、参加者のミスマッチを防ぎ、学力判断をして優秀な人材を選抜する事が可能となります。

 

2. EPA日本事務所を東京に開設する。
  (EPA参加者に対し、来日前後の日本語教育、国家試験対策、メンタルケア、雇用問題、受入病院や介護施設との調整などを行う)

この事務所は相手国政府が開設し、全国のEPAサポーターが運営を協力します。
EPAプロジェクトは労働者に付与される移動の自由や職業選択の自由が制限され、拘束力を持った外国人材移動です。それゆえ、来日者のストレスは膨脹し、現場の同僚にも大きな影響を与え、相互に不幸な結果を招きかねません。

人の国際移動は、教育・労使間調整・コミュニケーション機能・あらゆる相談業務など、一個人に対応する業務機能が不可欠となります。
機能を分課化することは、こと人の問題に関しては弊害が大きいことを、我々は現行EPAで十分に学びました。現状のインドネシア、フィリピンEPAの欠点をカバーする機能集団となります。

 

3. 看護師候補者は2年間は看護助手として働き、最後の1年は看護師臨床修練として看護臨床をする。

母国の有資格者、看護のプロを日本に呼び寄せるプロジェクトで、3年間も看護助手として扱うのは人道的に問題があります。

EPAインドネシア、フィリピンの中途帰国者をみても看護師の方が多いのは、自らのスキル低下に対する危機感です。しかし一方で日本の看護師資格がなければ就労できないことも理解しています。

このジレンマを解消するために、厚生労働省の外国人看護師臨床修練を用いて、来日三年目には看護師として一年間看護業務をしていただきます。
看護師臨床修練により自分本来の仕事をすることで、モチベーションは向上して国家試験受験対策にも有益となります。

 

4. 准看護師試験を受験可能とする。

外国人に交付される在留資格「医療」に准看護師が認められています。しかし、准看護師をめざして入国する外国人はおりません。准看護学校は留学ビザの対象外であるからです。あくまで看護師国家試験受資格を有する者が都道府県知事の許可により、准看護師試験を受けることが可能となります。

外国人が看護師試験に落ちてしまうと在留資格がなくなり、帰国せざるをえませんが、准看護師として就労在留することで、翌年に看護師資格を取得していくのがこれまでのケースです。在留資格「医療」による准看は、一種のセーフティーネットとして機能する意義がたいへん大きいと言えます。

このように、日本国内で言われている准看制度廃止の理由とはまったく違うストーリーに在るのが、外国人の置かれた立場です。
EPA看護師にも、平等に在留資格としての准看護師取得を認めるのは、内外人平等の原則を一歩めて、外外人平等とも言えるのではないでしょうか。
准看護師資格から看護師国家資格へ、ステップ バイ ステップの仕組みで目的達成をめざします。

 

5. 介護福祉士候補者を介護保険の人員配置基準とする

受入れ介護施設は、EPAによる介護士を、正規職員として雇用しているにもかかわらず、配置基準に加算されないという差別を受けています。
⇒人件費+教育費で受入れ経費が膨れ上がり、受入れ施設が減少している最大の原因がここにあります。

無資格の日本人、在日外国人介護士、EPA就学コースの介護アルバイト(資格外活動1週28時間)も配置基準として認められますが、EPA就労コースの介護士は認められないというねじれは、整合性がとれていません。
政府やマスコミは、EPA介護人材受入れに施設の手が上がらないのは、景気後退で日本人の確保が進んでいるからだといいますが、施設からみると本当の理由は基準配置のメリットがないためです。

以上